共感が「優しい檻」になるとき― 守る共感と、信じて手放す共感 ―

今日は、長岡由子の記事です。

前回の記事では

「傷つけられた」と感じた瞬間、
 心で起きていること
― 被害者意識と無意識の自己防衛

というタイトルで
人の言葉に強く反応してしまうとき、
私たちの心の中で、どんな自動的な反応が
起きているのかをみてきました。

▶︎前回の記事はこちら

今日はその続きとして

共感が、ときに人を守り
そして、ときに

人を止めてしまうことがある

その少し繊細なテーマについて、
セラピストとしての視点から
丁寧に綴っていきます。

  • 誰かの話を聞き続けて、疲れてしまう
  • 共感しているのに、状況が変わらない
  • 「支える側」にいることが多

そんな方に向けて、書いています。

家庭でも、職場でも
似たような役割を繰り返している方が
もしかしたら、読んでくださっている
かもしれません。

目次

私自身の、ある違和感から

少し、私自身の話をさせてください。

かつて私は、
母の愚痴を聞き続けていた時期が
ありました。

同じ話を、毎日。

でも状況は変わらない。
同じ内容が、繰り返される。

私はそのたびに
うなずき、気持ちを受け止め
「それはつらかったね」と共感しました。

すると母は
一時的に元気になるのです。

表情が和らぎ
声が穏やかになり
優しい母に戻る。

けれど、その変化は長く続かない。

次の日には
また同じ話が始まる。

そのうち私は、
穴の空いたバケツ
水を注ぎ続けているような感覚になりました。

それは「回復」だったのか?

あのとき起きていたのは
回復だったのでしょうか。

今振り返ると
私にはそうは思えません。


あれは
””苦しい状態の「延命」””だった。

しかも私も母も疲れ果てる形で。


当時の私は
無意識に「受け止め役」という
役割を引き受けていました。

「見捨ててはいけない」
「そばにいなくちゃいけない」


お腹のあたりに力を入れて
踏ん張るように。




そこに
私の境界線は、ありませんでした。

守るための共感が生む構造

このとき
心の中では
ある構造が生まれています。

共感した側は
「あなたの味方」という位置に立つ。

話している本人は
「守られる側」に固定される。

この配置は
一見とても優しく見えます。



でも、同時に
もう一つの構図も生まれます。

・相手は、ひどい人
・私は、被害を受けた人


被害者と味方、という構造です。

この構造の中では
話している本人が
自分の足で動く余地が
少しずつ失われていきます。

共感されることで楽になる。
でも、動けなくなるのです。

境界線は、冷たさではない

ここで出てくるのが
「境界線」という考え方です。

境界線というと
冷たい、突き放す、距離を置く
そんなイメージを
持つ方も多いかもしれません。

でも、私が感じている境界線は
少し違います。

それは
お互いの尊厳を守るためのもの

家で言えば
壁のようなものです。

壁があるから
家は安心して住める。 境界線があるから

人と人は
それぞれの人生を生きられる。

信じて手放す共感

共感は
いつも「味方になること」
ではありません。

ときに共感は
相手の力を信じて、待つこと
でもあります。

私は今
セラピストとして
ある覚悟を持っています。

それは、

安易に助けないこと

分からないときに
分かったふりをして
ごまかさないこと


相手の中にある
成長する力を信じて
そこに委ねること

正直に言えば
そこには怖さもあります。

「分かってくれない」
と言われて
去られてしまうかもしれない。

それでもなお
私は大切にしたい。
その人の尊厳を。

共感は、成長を止めることもある

共感は
人を救います。

でも同時に
人を止めてしまうこともある。

それは
共感が悪いからではありません。

共感の置きどころの問題。

守るための共感と
信じて手放す共感

どちらも必要で
どちらも尊い

ただ
いつまでも「守る側」に留まると、
静かに止まってしまうものがある。

その事実を
知っておいてほしいのです。

ここまで読んで、
何かを無理に
変えようとしなくても大丈夫。

ただ
「……あ、そういうことかもしれない」
そんな感覚が
どこかに残れば、十分です💕

そして同時に
共感され続けることが
必要なときもあります。

でも、もしあなたが
「もう少し自由に反応できたら」
と思っているなら、
それは、次の段階かもしれません。

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ここまでの連載が
あなたの心の中に
ほんの少し風を通すきっかけになれば
私はそれで嬉しいです。


最後まで読んで下さり
ありがとうございました🍀

この記事を書いたセラピスト
長岡由子

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